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「雲」の美しい表現一覧 85種類|比喩・和歌・漢詩に登場する言葉

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「雲」の美しい表現一覧|比喩・和歌・漢詩に登場する言葉 言葉
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3. 和歌・物語に登場する「雲」の決まり文句とその意味とは?古典文学に見る象徴表現

『古今和歌集』や『源氏物語』など、古典文学作品では「雲」は繰り返し詠まれる重要な語彙のひとつです。例えば「雲の通い路」は、天と地、またはこの世とあの世をつなぐ道として描かれ、「雲をながむ」は遠く離れた相手への思慕を象徴します。こうした表現は、単なる自然描写ではなく、愛や別れ、無常といった日本的感性を伝える役割を果たしています。

 

  1. 雲の通ひ路(くものかよいじ)
    この世とあの世、または天と地、人と神仏を結ぶ道。恋人同士の心の通い路にも。
  2. 雲にまがふ(くもにまがふ)
    (何かが)雲と見まがうほど美しい、または幻想的である様子を表す。
  3. 雲をながむ(くもをながむ)
    遠く離れた相手や亡き人を思って空を見上げる情景。恋や別れの象徴。
  4. 雲の絶え間(くものたえま)
    雲が切れたすき間。仄かな希望や再会の可能性を含意する。
  5. 雲におぼるる(くもにおぼるる)
    心が曇って真実が見えなくなるさま。悲嘆や迷いを表現する際に使われる。
  6. 雲のあなた(くものあなた)
    遥か遠くの場所、またはその向こう側の世界。別れた人への思慕によく使われる。
  7. 雲にたぐへる(くもにたぐへる)
    雲とともに流れていく、または雲のように移ろいやすい存在であるという意味。
  8. 雲にまかせて(くもにまかせて)
    自然の流れや成り行きに任せるさま。旅立ちや出家の文脈で用いられる。
  9. 雲のうはがき(くものうはがき)
    雲の上にただようかすかな形跡や気配。和歌では微細な感情や予感に対応する。
  10. 雲の影(くものかげ)
    雲の影が地に落ちる様子を、はかなさや一瞬の美にたとえる。
  11. 雲ゐはるか(くもいはるか)
    非常に遠い場所にあること。距離的・精神的な隔たりを強調する表現。
  12. 雲のゆくへ(くものゆくえ)
    行く先の分からない雲。人の運命や行く末の不確かさを象徴。
  13. 雲のまよひ路(くものまよいじ)
    雲に紛れて迷い込んだ道。現実と幻想、または心の迷いの象徴。
  14. 雲のほとり(くものほとり)
    雲のかたわら。神仏のそばや、死後の世界の境界とされることも。
  15. 雲によりても(くもによりても)
    雲をたよりに何かを伝えたり、雲に思いを託す心情。
  16. 雲もかなしき(くももかなしき)
    自身の悲しみに呼応するように、雲すらも哀しげに見えるという表現。
  17. 雲をはるかに(くもをはるかに)
    雲が遠くにある情景から、望みや人の所在が遠いことを暗示。
  18. 雲にかかれる(くもにかかれる)
    雲にかかって見えにくい状態を、事実が曖昧であることや心の迷いにたとえる。

 

4. 中国古典・漢詩における「雲」の意味と使われ方とは?故事成語や詩句に見る雲の象徴性

漢詩や漢文の世界でも、「雲」はしばしば象徴的な存在として登場します。たとえば「行雲流水」は自然体で生きる姿勢を示し、「白雲蒼狗」は世の中の移ろいやすさを喩えた表現です。また「雲中誰寄錦書来」のように、遠く離れた人への手紙や想いを詠む句もあります。これらの表現は、日本の和歌や漢詩の交流を感じさせるとともに、思想や人生観にも深く関わっています。

 

    1. 白雲蒼狗(はくうんそうく)
      白い雲が青い犬に変わるように、世の中は移ろいやすいという比喩。
    2. 行雲流水(こううんりゅうすい)
      空を行く雲と流れる水のように、自然に任せて生きることの理想を表す語。
    3. 雲烟過眼(うんえんかがん)
      目の前を通り過ぎる雲や煙のように、はかなく移ろいやすいもののたとえ。
    4. 雲中白鶴(うんちゅうのはっかく)
      雲の中にいる白い鶴。高潔で俗世を超えた存在の象徴。
    5. 雲中誰寄錦書来(うんちゅうたれかにしょをよこす)
      李商隠の詩にある句。遠く離れた恋人からの手紙を待つ切ない気持ちを表す。
    6. 孤雲野鶴(こうんやかく)
      孤高の生き方をする人を、野に舞う鶴や一つの雲にたとえる。
    7. 雲霧蒼茫(うんむそうぼう)
      雲と霧が広がって、視界が曖昧な様。遠大で幻想的な自然風景の描写に使われる。
    8. 雲煙万里(うんえんばんり)
      遠くまで雲や煙がたなびく様子。広大な景色や遠き旅路の比喩。
    9. 雲集霧散(うんしゅうむさん)
      雲のように人々が集まり、霧のように散っていくさま。群衆や時勢の変動を表す。
    10. 雲龍風虎(うんりゅうふうこ)
      雲を呼ぶ龍と風を呼ぶ虎。英雄が活躍する好機や勢いのある状況を表す。
    11. 雲行き怪し(くもゆきあやし)
      天候や情勢が不穏であることの比喩。後世の日本語にも受け継がれている表現。
    12. 雲心月性(うんしんげっせい)
      雲のように柔らかく、月のように清らかな心性。理想的人格のたとえ。
    13. 青雲の志(せいうんのこころざし)
      青雲にのぼるような高い志。立身出世を願うことの表現。
    14. 雲煙之志(うんえんのこころざし)
      世俗を離れて雲や煙のように生きることを望む志。隠遁や隠者思想に関連。
    15. 雲夢沢(うんぼうたく)
      中国の地名だが、詩では広大な自然の象徴として使われる。
    16. 白雲抱幽石(はくうん ゆうせきをいだく)
      白雲がひっそりとした岩を包む、という山水詩における静寂な自然の描写。
    17. 雲影天光(うんえいてんこう)
      雲の影と空の光。移り変わる自然の中に心を重ねる詩的表現。
    18. 雲深不知処(くもふかくしてところをしらず)
      深い雲に隠れて行方が分からない。人の消息や道の見えなさを表す。
    19. 彩雲易散(さいうんやすくちる)
      美しい彩雲はすぐに散る。幸福や栄華のはかなさをたとえた表現。
  1. 浮雲蔽日(ふうんへいじつ)
    漂う雲が太陽を隠すように、邪魔や不安が光を遮ることの比喩。
参考・出典:
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
今日は何の日~毎日が記念日~ (https://www.nnh.to/)
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