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恋にまつわる古語120選|「恋ふ」「しのぶ」恋を詠む美しい古語

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恋にまつわる古語120選|「恋ふ」「しのぶ」恋を詠む美しい古語 言葉
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③ 自然語・象徴語(比喩)

《恋心を自然に託して語る、和歌的比喩の世界》

恋心を直接言うのではなく、自然の現象や景物にたとえて表現する言葉を集めました。
とくに和歌においては、自然の中に自らの心を託して詠むことが美徳とされ、恋の深さやはかなさが象徴的に語られます。

1. 月(つき)
夜に見る月は、恋人を想う象徴。離れていても同じ月を見ているという想いを込める。

2. 露(つゆ)
涙、はかなさの象徴。「恋の露」とは、すぐ消える儚い恋、または涙を意味する。

3. 夢(ゆめ)
恋人に夢でしか会えない切なさを表す。しばしば「夢に見ゆ」と詠まれる。

4. 闇(やみ)
恋の不安や絶望を象徴。「恋の闇に沈む」など、心の暗さに重ねられる。

5. 花(はな)
恋の華やかさや儚さを象徴。「花の色は 移りにけりな…」のように美と恋の無常を表す。

6. 春(はる)
恋の訪れ、または別れの予感を表す。季節に応じて心の動きを映す。

7. 秋(あき)
物思いの季節。寂しさや恋の深まりが秋の景色に重ねられる。

8. 風(かぜ)
手紙や思いを届ける存在として登場。「風に託して君に思いを送る」

9. 波(なみ)
心の乱れや感情の高まりを象徴。「恋の波にゆられて」

10. 雲(くも)
隔たり、相手との間にある障害を象徴することもある。

11. 雨(あめ)
涙のように扱われるほか、恋の迷いや感傷を表す。

12. 霧(きり)
視界を遮るものとして、相手の心が見えないもどかしさ。

13. ほととぎす(時鳥)
夏の風物詩であり、恋しい人への呼び声として詠まれる。

14. 蛍(ほたる)
燃えるような恋心を表す。「ほたるの光=恋の炎」と詠むことも。

15. しののめ(東雲)
夜明け。逢瀬の終わりを示す時間帯として、恋の別れを暗示する。

16. 夜(よる)
恋人と過ごす時間、または孤独を感じる時間。恋の舞台としてしばしば登場。

17. 朝(あさ)
別れの時間帯。「朝ぼらけ」は、恋人との別離や現実への回帰を意味する。

18. 夕(ゆうべ)
恋の期待が高まる時間。「夕されば…」など、心を誘う場面が多い。

19. 星(ほし)
遠くにいる恋人や、見上げることでつながる存在として象徴的に登場。

20. 道(みち)
恋人への思いの「道」、または「道のり」。離れた道、すれ違う道など。

21. 小夜(さよ)
静かな夜。しみじみと恋心が深まる時間として使われる。

22. 鴛鴦(おしどり)
仲睦まじい夫婦の象徴。理想の恋愛関係として詠まれる。

23. 竹(たけ)
しなやかな強さと美しさを持つ存在として、恋人にたとえられる。

24. 松(まつ)
「待つ」とかけて、恋人を待つ気持ちの象徴。「松風に…」など。

25. 鶴(つる)
長寿や貞節の象徴。永遠の愛を誓うときなどに詠まれる。

26. 雪(ゆき)
白く清らかな心、あるいは冷たさ・別離の比喩。

27. 火(ひ)
恋の情熱や、燃え尽きる愛の象徴。

28. 水(みず)
流れる感情や、絶え間ない想いを象徴。涙にもつながる。

29. 鈴(すず)
音が心を伝える手段として使われる。逢瀬の合図、心の響き。

30. 岩(いわ)
動かない心・不変の愛の象徴。逆に障害を表すことも。

 

④ 関連語・派生語(形容詞・複合語など)

《恋を修飾し彩る、豊かな語彙の広がり》

恋に関する基本語をもとに派生した形容詞・副詞・複合語などを取り上げます。
言葉に「しげ」「まどふ」「がち」などを加えることで、恋のニュアンスや状態をさらに細やかに表現できます。

1. 恋し(こひし)
「恋ふ」の形容詞形。「恋しき人」「恋しうて」など幅広く使われる。

2. 恋まどふ(こひまどふ)
恋に心を乱す。まどふ(迷ふ)との複合で、「恋にまどふ」の強調版。

3. 恋ひわたる(こひわたる)
ずっと長く恋し続ける。時間的な継続を表す。

4. 恋ひしく(こひしく)
連用形。「恋ひしく思ふ」などで、より丁寧な恋の表現。

5. 思ひまどふ(おもひまどふ)
考えすぎて混乱する。恋心による迷いを強調。

6. 思ひしづむ(おもひしづむ)
恋の重みに心が沈むこと。深い恋情に使われる。

7. 恋しげなり(こひしげなり)
いかにも恋しそうな様子。〜げなりは「気配」「様子」を表す形。

8. 恋しがる(こひしがる)
現代語にも通じるが、古文でも思慕の気持ちを強く出す形。

9. 恋しき(こひしき)
形容詞「恋し」の連体形。形容詞的に使われることが多い。

10. 忍び恋(しのびごい)
人目を忍ぶ恋。和歌の典型的な恋の形。しのぶ+恋の複合語。

11. うらがなし(心悲し)
心が切ない、どこか寂しげ。恋心の副次的感情を描く。

12. 恋こころ(こひごころ)
恋する気持ちそのもの。恋心の古風な言い回し。

13. 恋まさる(こひまさる)
恋心が強まっていくこと。気持ちの変化を描写する表現。

14. 恋がち(こひがち)
「〜がち」は現代語でも使われるが、恋に傾きやすい様子を指す。

15. 恋すずし(こひすずし)
恋しているのに心が落ち着いているという、稀な安定した恋心。

16. 恋おもたし(こひおもたし)
心が重たい。恋のつらさを形容詞化した表現。

17. 恋わずらふ(こひわずらふ)
恋煩いになる。心の病にたとえることで恋の深さを強調。

18. 恋うしろめたし(こふうしろめたし)
罪悪感を伴う恋。不倫や秘めごとの恋に使われる。

19. 恋ひとしお(こひひとしお)
「ひとしお」は「いっそう」「ひときわ」の意味。より恋しさが強い。

20. かなしげなり
愛おしそうな、かわいらしい様子。恋の対象を見たときの感情。

21. おもひしらる(思ひ知らる)
自然と思い知る。「恋の苦しさを思ひ知らるる」など受動の形で使う。

22. 思ひそめ(おもひ初め)
恋心を抱き始める。「そめ」は始まりを意味する接尾語。

23. 思ひなす(おもひなす)
勝手に思い込む。恋の勘違いや独り相思いに関係。

24. あこがれみる(憧れ見る)
憧れの人を遠くから見る。叶わぬ恋の表現。

25. 思ひやらる(おもひやらる)
遠くにいる相手を思い遣る。相手の気持ちを推し量る恋心。

26. なつかしげなり
親しみを覚える様子。穏やかで温かな恋心に使われる。

27. しのび音(しのびね)
忍ぶように漏れる声やため息。切なさの象徴的な語。

28. あくがるる(憧るる)
魂が体を抜けてさまようように恋い焦がれること。憧れの原義。

29. つらしげなり
相手の態度が冷たく、つらく思える様子。

30. わびしげなり
恋がうまくいかず、侘しく寂しい様子。

参考・出典:
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
今日は何の日~毎日が記念日~ (https://www.nnh.to/)
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