怒りと情念の炎を表す外国語
内側から噴き上がる感情の熱を映す語を集めています。抑えきれない思いが炎となって姿を現すような、濃密で生々しい響きが特徴です。
- Wrath — ラース|英語
激しい怒り。
炎のように制御不能な感情を表し、破壊的な選択の直前を想像させます。 - Fervor — ファーヴァー|英語
熱情。
静かに燃え続ける内面の火として、信念や執念を描く際に使えます。 - Passione — パッシオーネ|イタリア語
情熱。
燃えるような思いを含み、愛と怒りの境界が曖昧な炎を思わせます。 - Glóð — グロウズ|アイスランド語
赤く燃える炭。
表には出ない怒りが、内側でくすぶる様子を穏やかに表します。 - Ira — イラ|ラテン語
怒り。
短い語ながら重みがあり、感情の核心を鋭く突きます。 - Furor — フロル|ラテン語
激しい憤怒・狂おしい激情。
理性を焼き切るような暴発を示し、怒りと情念が一体化した熱を描けます。 - Ira ardens — イラ・アルデンス|ラテン語
燃える怒り(直訳)。
「怒りが燃え上がる」感覚を古典の語感で出せる表現です。 - Wut — ヴート|ドイツ語
激しい怒り・憤激。
短い音で強く刺さり、抑えがたい爆発的な感情を表せます。 - Brennender Zorn — ブレンネンダー・ツォルン|ドイツ語
燃える憤怒(直訳)。
炎の比喩をそのまま怒りに重ねる言い方で、熱量の高さが前面に出ます。 - Fureur — フュルール|フランス語
激怒・狂乱的な怒り。
感情が制御を離れる瞬間の荒々しさが出やすい語です。 - Ira ardiente — イラ・アルディエンテ|スペイン語
燃える怒り(直訳)。
熱を帯びた怒りの立ち上がりを、直線的で強い響きで言い切れます。 - Rabbia — ラッビア|イタリア語
怒り・激しい憤り。
生々しい感情の熱をそのまま置ける、日常語としても強い語です。
天変地異としての炎の外国語
火山噴火や大災厄を思わせる、自然現象としての炎の言葉です。人の意思を超えた力の前で感じる畏敬が、言葉の奥に静かに漂います。
- Magma — マグマ|英語
地下の溶岩。
内側に蓄えられた莫大な力が、噴出の瞬間を待つ印象を与えます。 - Lava — ラヴァ|英語
流れ出た溶岩。
ゆっくりとすべてを飲み込む様子が、避けられない破壊を感じさせます。 - Pyroclast — パイロクラスト|英語
火砕物。
爆発的な噴火の一部として、瞬間的な暴力性を含みます。 - Eruption — エラプション|英語
噴出。
抑圧された力が一気に解放される瞬間を象徴します。 - Nuée ardente — ニュエ・アルダント|フランス語
火砕流(燃える雲)。
地表を覆い尽くす高温の雲が、逃げ場のない災厄として迫る印象を残します。 - Feuermeer — フォイアーメーア|ドイツ語
火の海。
一面に広がる炎が、都市や自然を区別なく飲み込む光景を連想させます。 - Bruni — ブルニ|古ノルド語
火・炎・火災。
北欧の荒々しい自然観の中で語られた、原初的な火の概念を感じさせます。 - Pyroclastic surge — パイロクラスティック・サージ|英語
火砕サージ。
地表を高速で走る灼熱の奔流が、瞬時に景色を消し去る様子を想像させます。 - Caldera — カルデラ|英語
大規模噴火後に形成される陥没地形。
災厄の後に残された巨大な空白が、破壊の規模を静かに物語ります。
儀式・呪術と結びつく炎の外国語
祈りや呪術の場で使われてきた炎の語です。静かな集中と張り詰めた空気が感じられ、神秘的な場面に自然と溶け込みます。
- Sacred flame — セイクリッド・フレイム|英語
聖なる炎。
浄化と力の象徴として、儀式の中心に据えやすい語です。 - Ritual fire — リチュアル・ファイア|英語
儀式の火。
意図を持って灯される炎が、行為そのものの重みを伝えます。 - Ignis sacer — イグニス・サケル|ラテン語
神聖な火。
古代宗教の雰囲気があり、厳かな空気を纏います。 - Spellfire — スペルファイア|英語
魔法の炎。
呪文と結びつき、意志が火となって現れる印象を与えます。 - Hexenfeuer — ヘクセンフォイア|ドイツ語
魔女の火。
民間伝承の闇と炎が重なり、不穏な魅力があります。 - Consecrated fire — コンセクレイテッド・ファイア|英語
祝別された火。
選ばれた場でのみ燃える炎として、特別感を演出できます。 - Arcane fire — アーケイン・ファイア|英語
秘奥の炎。
知識と力が結びついた火として、知的な魔術の印象を残します。 - Sacred fire — セイクリッド・ファイア|英語
聖なる火。
祭儀の場で敬われる火を、そのまま正面から呼ぶ言い方です。 - Lustral fire — ラストラル・ファイア|英語
清めの火(浄めに用いる火)。
祓い・浄化の文脈で語られる、儀礼性の強い表現です。 - Yajna(यज्ञ)— ヤジュニャ|サンスクリット語
聖火の前で行う祭式(火への供物を伴う儀礼)。
祈りや供儀が、炎そのものと結びつく場面に自然に馴染みます。 - Homa(होम)— ホーマ|サンスクリット語
火へ供物を投じる祭式(火供)。
呪術・祈祷・加持のような緊張感を、儀式語彙としてそのまま背負えます。 - Agnihotra(अग्निहोत्र)— アグニホートラ|サンスクリット語
聖火への供物を定式で捧げる火の儀礼。
生活の中に組み込まれた「決まった手順の炎」を感じさせます。 - Atash — アタシュ|(新)ペルシア語
火。ゾロアスター教の文脈では、清浄と真実の象徴として敬われる火を指します。 - Atash Behram — アタシュ・ベフラム|ゾロアスター教用語
「勝利の火」。火殿に安置される最高位の“永遠の火”を指す呼称です。 - Feu sacré — フー・サクレ|フランス語
聖なる火。
フランス語でも「神聖な火」をそのまま言える、定着した言い方です。 - Weihfeuer — ヴァイフॉイア|ドイツ語
祝別された火(復活祭前後の「聖別の火」など)。
実際の民俗・宗教習俗の匂いがあり、儀式の場面を現実味ごと立ち上げます。 - Agion Phos(τὸ Ἅγιον Φῶς)— アギオン・フォス|ギリシャ語
「聖なる光」。復活祭期に語られる“聖火(聖なる光)”の呼称として知られます。
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