- 祈雨(きう)
雨乞いを意味する古い表現で、干ばつを救うために神仏へ祈る儀式を指す。人々の生活と信仰が深く結びついた言葉。 - 雨隠(あまがくれ)
物陰に入って雨を避けること。雨宿りを意味する語。 - 雨気(あまけ)
雨が降り出しそうな気配や空模様。雨模様と同意。 - 雨滴(うてき)
雨の一粒一粒を指す語。滴が地面や葉を打つ様子を表し、観察的・詩的な視点で用いられる。 - 雨蓑(あまみの)
雨を防ぐために身につける蓑で、昔の伝統的な雨具。 - 雨水(あまみず)
降った雨の水、または雨によって地面にたまった水。 - 恵みの雨(めぐみのあめ)
作物や自然にとって必要なタイミングで降るありがたい雨。干ばつを癒し、生命を支える存在としてポジティブに捉えられる。 - 日照り雨(ひでりあめ)
日が差しているのに降る雨で、天気雨とも呼ばれる不思議な現象。 - 雨後(うご)
雨が上がったあと。澄んだ空気や清々しさを感じる時。 - 寒雨(かんう)
冬や晩秋に降る冷たい雨。体温を奪うような寒さを持ち、雪に変わる前の重々しい空気を感じさせる。 - 雨露(あめつゆ)
雨と露がもたらす潤い。自然の恵みを表すこともある。 - 霖雨(りんう)
「霖」は長雨を意味し、数日にわたって降り続く雨を指す漢語的表現。重々しい響きがあり、陰鬱な雰囲気を生む。 - 雹雨(ひょうう)
雹を含んで降る雨。雨粒の中に氷塊が混ざることで、激しい音や衝撃を伴い、自然の力強さを感じさせる。 - 雨注(あまそそぎ)
雨だれや霧雨など、雨が絶え間なく注ぎ落ちること。 - 雨飛(うひ)
雨雲が飛び去り晴れること。矢が雨のように飛ぶ意でも使われる。 - 夜雨(よさめ)
夜に降る静かな雨。暗闇の中で雨音が際立ち、情緒や孤独、安らぎなど多様な心情と結びつきやすい。 - 雨上がり(あめあがり)
雨が止んだ直後の状態。濡れた地面、澄んだ空気、光の反射など、自然の美しさや再生の象徴として用いられる。 - 膏霖(こうりん)
田畑を潤し作物を育てる長雨で、「霖雨」の中でも特に恵み深い雨。 - 雨下(うか)
雨が降ること、または絶え間なく雨が注ぎ続けるさま。 - 雨乞踊(あまごいおどり)
太鼓や鉦に合わせて踊り、雨を願って奉納する伝統の踊り。 - 梅雨前線(ばいうぜんせん)
梅雨の発生源となる前線で、暖かい空気と冷たい空気がぶつかる地域。気象学的用語であり、大規模な長雨の原因を示す。 - 雨雲(あまぐも)
雨を降らせる厚い雲。黒く垂れ込めた乱層雲を指す。 - 陰雨(いんう)
空が暗く、太陽が隠れるような状態で降る雨。静かで冷たい印象を持ち、気分や空気を重くするような陰のニュアンスがある。 - 雨意(うい)
雨が降りそうな気配や空模様を表す情緒的な語。 - 雨凌(あめしのぎ)
雨をしのぐこと、または雨を防ぐ手段や場所のこと。 - 雨催い(あまもよい・あめもよい)
今にも雨が降り出しそうな空模様や雰囲気。 - 五風十雨(ごふうじゅうう)
五日に一度風が吹き十日に一度雨が降る、天候の順調なさま。 - 地雨(じあめ)
風を伴わず、静かに長く降り続く雨。派手さがなく、しっとりと大地に浸透する「落ち着いた雨」を指す。 - 穀雨(こくう)
百の穀物を潤す春の雨。二十四節気の一つで、農耕の恵みを象徴する。 - 雨曇(あまぐもり)
雨が降りそうな曇り空で、湿り気を帯びた空模様。 - 雨喜(あめよろこび)
長い日照りのあとに降る雨を喜ぶ気持ち、またはその雨。 - 春雨(はるさめ)
春に静かに降る柔らかな雨。大地を潤し、植物の芽吹きを促す生命の雨として、優しさや希望を感じさせる。 - 篠突く雨(しのつくあめ)
大粒の雨が激しく降り、篠竹を突くように地面を叩く豪雨。 - 卯の花腐し(うのはなくたし)
卯の花が咲く頃、長く降り続いて花をいためる霖雨。 - 雨乞祭(あまごいまつり)
神泉苑で雨を祈願するために行われた臨時の祭礼。 - 夕立(ゆうだち)
夏の夕方に突然降る強い雨で、雷を伴うこともある。短時間で止むため、一時的な涼しさや季節感をもたらす風物詩的な存在。 - 雨安居(うあんこ)
僧が雨季の間、外出を控え寺に籠もって修行する仏教の習わし。 - 雨氷(うひょう)
過冷却の雨が地表で凍りつき、氷の膜を作る現象。 - 雨避(あまよけ)
雨で濡れないようにする覆いや設備の総称。 - 雨雫(あめしずく)
雨のしずく。葉や軒先から落ちる滴の美しい表現。 - 駛雨(しう)
速く激しく降るにわか雨。夕立に似た勢いのある雨。 - 雨勝ち(あめがち)
雨の日が多く続く天候。湿りがちな気候を指す。 - 氷雨(ひさめ)
初冬に降る冷たさの強い雨。または凍るように冷たい雨全般を指す。身にしみる寒さと冬の訪れを感じさせる語。 - 和雨(わう)
穏やかに降り注ぐ恵みの雨。作物や人に潤いを与える。 - 洪霖(こうりん)
大雨が長期間続くこと。「洪」と「霖」がともに大水を表す語。 - 半夜雨(はんやう)
夜半(深夜)に短時間だけ降る雨を指す雅な語。古典文学で用いられ、静寂の中に訪れる一時的な変化を表す。 - 雨覆(あまおおい)
物を雨から守るために布などで覆うこと、またはその覆い。 - ごうごう雨(ごうごうあめ)
風や雨の音が「ごうごう」と鳴り響くほど激しい雨。荒天の迫力や恐ろしさを強調する表現で、嵐に近い状況を描く。 - 宿雨(しゅくう)
夜から降り続く雨、または何日も続く長雨をいう。 - 山茶花時雨(さざんかしぐれ)
山茶花が咲く頃に降る冷たい雨で、冬の情景を彩る。
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