❸ 草木と花 ―― 青葉茂る命の季節に咲く彩り
夏は生命力あふれる植物の季節。木々の緑、庭先の花々、野に咲く草花など、自然の恵みを言葉に映した表現を集めます。
- 青葉（あおば）
夏に生い茂る若々しい緑の葉。生命力の象徴。 - 新緑（しんりょく）
初夏の瑞々しい緑。春から夏への移ろいを感じさせる。 - 木陰（こかげ）
木が作る日陰。夏の暑さから逃れる涼やかな場所。 - 夏木立（なつこだち）
青々と葉を茂らせた夏の木々。視覚的にも涼しさを演出。 - 草いきれ（くさいきれ）
夏草が放つ蒸し暑さと匂い。夏特有のむんとした空気感。 - 朝顔（あさがお）
夏の代表的な花。朝に咲いて昼にはしぼむはかなさが魅力。 - 百日紅（さるすべり）
夏の終わり頃まで長く咲き続ける花。鮮やかな紅色が印象的。 - 向日葵（ひまわり）
太陽に向かって咲く明るい花。夏の陽気さを象徴。 - 桐の花（きりのはな）
初夏に咲く薄紫の花。古典文学にもよく登場する優雅な花。 - 合歓の花（ねむのはな）
夜になると葉を閉じる合歓の木の花。繊細で幻想的な印象。 - 花茣蓙（はなござ）
花模様の敷物。夏の室内を涼しく彩る道具であり、文化でもある。 - 葉桜（はざくら）
桜の花が散った後の青葉。春の名残と夏の始まりをつなぐ言葉。 - 蓮（はす）
池に咲く神聖な花。仏教や夏の風景詩にも多く登場。 - 芙蓉（ふよう）
夏に咲く薄紅色の花。涼しげで柔らかい印象。 - 撫子（なでしこ）
夏から秋にかけて咲く花。古典では可憐さの象徴。 - 芒（すすき）
初夏に芽を出し、秋には風に揺れる。夏からの成長を象徴する植物。 - 葛（くず）
繁茂する夏草。古典文学では憂いや恋に重ねて詠まれる。 - 萱草（わすれぐさ）
忘れ草の別名。夏に咲くオレンジの花。悲しみを忘れる花とも。 - 夏萩（なつはぎ）
夏に咲く萩。秋の七草に先立って咲く早咲きの品種。 - 梶の葉（かじのは）
七夕の短冊に用いられた葉。願いを託す風習とともに伝わる。
❹ 生きものたち ―― 暑さの中に息づく命の営み
蝉や蛍、燕や金魚など、夏に姿を現す生きものたちは、季節を彩る大切な存在。日本の夏を象徴する生き物に関する言葉をご紹介します。
- 蝉（せみ）
夏の象徴的な昆虫。その声は夏の情景を強く印象づける。 - 蛍（ほたる）
夏の夜に光を放つ幻想的な虫。短い命が情緒を誘う。 - 燕（つばめ）
初夏に南からやってくる渡り鳥。巣作りや子育ての様子も夏の風物。 - 金魚（きんぎょ）
夏祭りなどでも親しまれる、美しく涼しげな魚。 - 蚊（か）
夏の夜の煩わしさの象徴。風物としても俳句に登場。 - トンボ（とんぼ）
夏の終わりに姿を見せる昆虫。季節の移ろいを感じさせる。 - 蜻蛉（あきつ）
トンボの古名。万葉集では日本を「秋津島」と称する語源でもある。 - 鵜（う）
鵜飼で知られる鳥。川とともに生きる伝統文化の担い手。 - 鰻（うなぎ）
土用の丑の日に食される精のつく魚。夏の食文化に欠かせない。 - 鮎（あゆ）
清流に生きる魚。夏の川遊びや鮎狩りの象徴。 - 蝙蝠（こうもり）
夏の夕暮れに現れる。夜のしじまに溶け込む姿が印象的。 - 鹿（しか）
夏毛に生え変わると赤褐色になる。古典でもよく詠まれる動物。 - 狐（きつね）
夏の夜に現れるとされ、幻想や霊的なイメージとともに語られる。 - 狸（たぬき）
夏の民話や妖怪譚に登場する動物。親しみやすくも神秘的。 - カエル（かえる）
梅雨から夏にかけて田んぼで鳴く声が季節感を強める。 - 蝶（ちょう）
夏に多く見られる虫。儚さ、美しさの象徴。 - 蜂（はち）
夏場に活発に活動する虫。時に危険でもあり、自然の一部として認識される。 - 蟻（あり）
せっせと働く姿が夏の土の上に見られる。勤勉さの象徴。 - 蜻蛉玉（とんぼだま）
トンボの眼を模したガラス細工。夏の装飾や文化として親しまれる。 - 水馬（あめんぼ）
水面をすいすいと滑る虫。夏の水辺の象徴的存在。
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